笑顔でまたねと言える場所

寿司を食べたことがなければどんなに寿司の写真を見たってどれだけ美味いかわからないように、命が大切だと教わっても、実際に味わってみないことには、どれだけ大切か、わからなくて当然ですよね。

命が生まれるとか、命が脅かされるとか、命が終わるとか、そういうものを味わってみないことには、ね。

握っている人の見えない回転ずし屋さんに行くと、少し寂しい、空しい気持ちになるのですが、なんでかな、と考えてみたら、コンベヤに乗ってくる皿を取る自分の姿が、養鶏場のチキンに見えてしまうのでした。うわ、俺って家畜・・・?というような。

今は生まれる時も死ぬ時も病院でコントロールされる時代、だそうです。命がコントロールされることを「家畜化」ともいうそうです。そうですよね、家畜って殺されるために飼われてるみたいなものですよね。

万益舎ってどんなところ?と聞かれたら「暮らしに命をとりもどすところ」。そんなふうに言ってもらえる場所を目指しています。脱・家畜(ちょっとネガティブな響きですが・・・)、本来の人間としての機能を取り戻せる場所です。

笑顔でまたねといえるのは、希望があるから。人間だけが暗くも明るくも未来を描けるんですってよ。せっかく描くなら、生まれたての赤ちゃんのように力強く、希望をもって、生きて、死ぬ。

今月に入って、お二人目の命を万益舎から天国にお送りしました。写真に撮ってお見せしたいぐらい美しいお顔で、行ってらっしゃい、されました。

ねたきりで数カ月は立つことも食べることもしていなかったおばあちゃんが、最愛のご家族の決断によって管理下の病床から退院。トイレに立ち、「点滴」というコンベヤを断ち切って、口から自分の意思で食事を摂り、会話をし、窓の外で風に揺れる草木を見、自分の手で、自分の生をしまう。うーん、美味!

この「命の回復」にスポットをあてて介護の仕事にあたれたら、介護職員の離職率はぐんと下がり、若い子たちも「この仕事やってみてー!」と言ってくれるにちがいない!

同じ命を俺も頂いているんだ。さあ、楽しく、希望をもって、仕事をしよう!

万 益 舎

笑顔で「またね」といえる場所

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